アートnavi

アートを知ればアートと暮らせる。アートの道先案内。

ポップ・アート

ポップアートは、大量生産・大量消費社会をテーマとして表現する。

1950年代末のアメリカのポップアート

実際にポップアートが盛んになったのは、ポップの元となる商品や大衆文化の発信地、1960年代のアメリカ(特にニューヨーク)です。

戦後のイギリス人にとって、アメリカの格好いい商品や大衆文化は眩しいものでしたが、アメリカ人にとってはどこにでも売っているただの日用品で日常風景の一部であり、むしろ格好悪い物でした。ただ当初はそれを美術に直接使うことは、アメリカの芸術の前衛にあったモダニズムの立場や保守的な観衆から思わぬ強い反発を受けました。

ニューヨークでは1950年代以来ジャクソン・ポロックらに代表される抽象表現主義が全盛を極めており、人間より大きなキャンバスに色彩を展開させ、始めも終わりもない抽象的な色面で全面を覆うオールオーバーな絵画が主流を占めていました。

批評家クレメント・グリーンバーグらに主導され、より平面的で、より壮大で崇高な絵画を目指した彼ら抽象表現主義の人々は、モダニズムを信奉する立場であり、「グッド・デザイン」を規範とし、大衆文化を芸術の前進する方向とは逆らう「キッチュ」(ドイツ語の"verkitschen" 「低俗化する」が語源)として退けていました。

これに対し、1950年代末にロバート・ラウシェンバーグやジャスパー・ジョーンズらが、廃物や既製品のがらくたなど現実から持ってきた物体を絵に貼り付けたり、標的や数字や星条旗の図柄などおよそ絵にはならないありふれたイメージを描き始め、モダニズムの好む「グッド・デザイン」に反するような行動を始めました。

彼らのようなアメリカのポップアートの作家は、しばらくの間は「ネオダダ」とも呼ばれていました。ポップアートにはその辺にある既製品をそのまま使用して芸術とするレディメイドの手法など、ダダイズムや反芸術が強く影響していたからです。

既製品や既成のイメージを使った彼らネオダダは、抽象表現主義に取り組んでいたアーティストや抽象表現主義に飽き始めていた観客らに衝撃を与えました。

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